南牧村に1カ月滞在した学生にインタビュー

8/11から9/11の1カ月間、東北芸術工科大学の大学生2人が、南牧村にインターン(就業体験)で滞在しました。2人はこの村で何を経験し、何を感じたのでしょう?村を離れる直前に聞きました。

左が成沢蕗さん、右が熊谷優佐さん。2人とも東北芸術工科大学の1年生。

ーまず、簡単に自己紹介をお願いします。

成沢 東京都出身の成沢蕗(なるさわふき)です。山形県山形市にある東北芸術工科大学の1年生で、デザイン工学部のコミュニティデザイン学科に所属しています。

熊谷 宮城県出身の熊谷優佐(くまがいゆうすけ)です。成沢さんと同じ大学、学科の1年生です。

ーインターンというのは、大学の授業の一環ですか?

成沢 はい。私たちが所属するコミュニティデザイン学科の必修科目で、1年生のうちに一度はどこかの地域に1ヶ月間滞在しないと、単位が認められません。なので、夏休みか冬休み、春休みしか行くチャンスがないんです。

ー滞在する地域は、どうやって選ぶんですか?

成沢 地域留学をコンテンツとして扱うエージェントから選ぶケースが多いと思います。ただ私は、もともと南牧村と「なんもく大学」を通じてご縁があったので、村に直接アプローチしました。

ーということは、成沢さんは村に来たことがあるんですね。

成沢 はい。高校時代に当時「なんもく大学」の代表だった古川さんと偶然知り合い、大学のメンバーとして何度も村に来ています。毎回活動に参加しているうちに、いつのまにか私が代表になっていました(笑)。

ー熊谷さんは、どのような経緯で南牧村を選んだのですか?

熊谷 私は宮城県出身なので、どうせなら東北以外の地域に行ったほうが、強い刺激になると思っていました。その時に成沢から南牧村のことを聞いて興味を持ったんです。なので、私はこのあたりの地域に来るのは初めてです。

ーインターンの期間中は、やるべきタスクはあるのですか?

成沢 1年生の時は、特にタスクはありません。地域に1ヶ月滞在して住民の方々と触れ合えばOKなので、やることは地域によってさまざまです。私たちの場合、受入窓口になっていただいた「なんもく笑い塾」の方々から、村でどんなことをするのかを事前に教えていただいたので、不安はなかったですね。

ー実際に村に来て、どのようなことを体験しましたか?

成沢 私は平日には学童の仕事のお手伝い、休日には村の出前代行サービス「モクメシ」配達のお手伝いをしました。学校が始まった後は、朝に保育園に行き、夕方は学童に行きました。休みなしの1カ月間でしたが、日々の体験が貴重でしたので、苦にはならなかったです。

熊谷 私は子どもたちの相手が苦手でしたので、とにかく村内を自転車で色々見てまわり、出会った方々と会話をすることを繰り返しました。昔の話を聞いたり、ちょっとしたお手伝いをしたりして、多くの村民の方々とお話ができました。

ー見ず知らずの土地に来て知らない人と話すことは、つらくなかったですか?

熊谷 最初は少し警戒されたりもしましたが、話し始めたら村の方々があたたかく受入れてくださったて、話を聞くことが楽しいと思えるようになりました。そのうちに色々と繋がりができて、9月5日の日曜には村内の「華工房」さんのご協力で、フラワーアレンジメント体験教室を住民センターで開催することができました。

フラワーアレンジメント教室の様子。熊谷さんの開催挨拶
「アメリカンフラワー」の作り方を子どもたちに教える成沢さん
教室には、親子連れを含めて15名の村民が参加した
イベントは村長も見学

ーフラワーアレンジメント教室は盛況で何よりでした。成沢さんはこれまで何度も村に来られていますが、今回のインターンでは何を感じましたか?

成沢 これまで「なんもく大学」の活動で何度も村に足を運びましたが、どちらかといえばイベントを楽しんでいたので、村とは浅い部分でしか関わってなかったことを実感しました。今回はインターンで村の仕事を経験したことで、地域への興味が芽生えたことが大きな変化でした。村の小学生や幼稚園児、親御さんたちなど幅広い年齢の方々と接することができて、地域に対する意識が変わり、新たな興味が湧いたことが大きかったです。

ー熊谷さんは南牧村に初めて来て、どのような感想を持ちましたか?

熊谷 これまでの私は、親や先生や友人に言われたり、与えられたことをただやっていた面が大きかったんです。でも、村に来てからの1カ月間、自分の足で歩いて人に会い、話すことをひたすら行ったおかげで、主体的に動ける自信が芽生えた気がします。

ー今回の滞在で、村の課題のようなものは感じましたか?

成沢 住民の方々と話すなかで、村の将来をどこかあきらめている感覚が気になったので、もっと村の良いところを村民に知ってもらうことが必要だと思いました。これから村として何を残し、何を語れるかを考えるお手伝いは、私たちにもできそうな気がします。

熊谷 私も、村の情報を村民が案外知らないと感じました。村の方々をもっと繋いでいくことが必要だと思います。

ー南牧村に限らず、これからも地域と関わっていきたいと思いますか?

成沢 どこかの地域に住み続けて何かをやるよりは、一定の距離感を保ったまま全国各地と関わっていきたいと思っています。コミュニティデザインを学ぶ身としては、南牧村も含めて村民の主体的な行動を促すお手伝いができるといいなと思います。

熊谷 今回のインターンでは、人と関わることが楽しいと感じたことが一番の成果でした。どこと決めずに、これからも色々と行ってみたいと思います。特に、人の話を聞く力を養えたと感じるので、それを生かしていけるといいですね。

ー聞いていて、さまざまな出来事や思いが心に刻まれた1カ月間だったことが伝わってきました。これからも、何らかの形で南牧村に関わってくれることを(ひそかに)期待しています。(以上)