【登山】2つの岩峰が特徴的な立岩と、威怒牟畿不動

私が住む星尾地区を見下ろす2つの大きな岩峰が特徴的な立岩(たついわ)に登ってきました。下山路では、岸壁から霧状の滝が見られる霊場、威怒牟畿不動(いぬむぎふどう)にも立ち寄りました。(登山日:2024年10月25日)

2つの岩峰が特徴的な立岩。南牧村の星尾地区を見下ろすようにそびえ立つ

立岩の登山口は、南牧村民俗資料館の手前を右折して県道星尾羽沢線を進んだ終点の駐車場。すぐ手前には南牧3名瀑の一つ、線ヶ滝が見られます。ここに車を停めて登山道へ。星尾峠に至る分岐を右に進んで渡渉すると、川から別れて本格的な登りが始まります。5分ほど登ると、威怒牟畿不動に直登する分岐に到着。ここを右に折れて山に分け入ります。

「西上州のドロミテ」とも呼ばれる立岩は、東と西の2つの岩峰で成り立っています。ただし登山道が付けられているのは西立岩のみ。鎖やロープも多い中級者向けの山です。登山道は、直登ルートと威怒牟畿不動を経由するルートの2種類がありますが、今回は「山と高原地図」のコースガイドに従い、直登ルートを登り立岩の尾根を北に進み、威怒牟畿ルートを下りる「反時計回り」コースにしました。

登山口に立つ道標。ここから荒船山へも登山が可能
豪雨災害で橋が流され、いきなりの渡渉
登山口に立つ木製の古い案内図。かつては線ヶ滝の手前にも立岩への登山口があったらしい
星尾峠への分岐を右へ。
星尾川を再び渡渉。ここから本格的な登山路がスタート
看板が落ちている威怒牟畿不動への分岐。今回は右に進み立岩に直登した
緑が美しい樹林帯の中を、ひたすら登る

雑木林の中の道を赤テープを頼りに30-40分ほど登ると、いきなり木製のベンチが出現。ここからはロープや鎖が張られた急斜面になるので一服します。木製のベンチが多く置かれているのも、立岩の登山路の特徴です。

急斜面の登山路に置かれた古びた木製ベンチ。小休憩に最適
岩と岩の間の急斜面に張られた鎖場を登る
尾根(立岩のコル)に到着。ここにもベンチあり

登山口から約1時間で尾根に到着。ここから西立岩の山頂に向けて左に進みます。尾根は樹林帯に囲まれていて展望は望めませんが、何箇所か木々が途切れた地点があり、周囲の山々や集落を見ることが可能です。右に進むと東立岩の山頂で踏み跡がありますが、一般登山者が登れるルートではないようです。

ロープと鎖に助けられながら登る
尾根上から南側を望む。下に見えるのは星尾集落。送電線が良い目印になる
山頂近くに鎮座する木彫りの地蔵
西立岩山頂。ベンチはあるが展望が効かない上に狭い

何箇所か鎖やロープで上り下りしながら尾根を歩き、約30分ほどで立岩(西立岩)の山頂に到着しました。登山口からは休憩を除き1時間半ほど。ただし山頂は樹木に囲まれ、良好な展望は望めません。少し歩くと展望が広がる地点(西立岩の肩)があり、ここからは遮るものもなく周囲の山々を眺めることができました。

立岩山頂。残念ながら天気が薄曇りで、良好な展望は望めず
西立岩山頂から少し歩き、ベンチがある西立岩の肩へ。ここからは周囲を一望できる。
北側を望む。左手には威怒牟畿不動らしき大岩が見える
北東に見えるのは北立岩。その先には毛無岩

西立岩の肩からは尾根筋の岩峰をアップダウンしながら北へ進みます。40-50分歩くと、荒船山方面に向かう分岐に到着。ここからは尾根を外れて左側に降りていきます。

鎖を使って岩峰を登る
やせた尾根上を進む
威怒牟畿不動への下降点。看板が落ちているが、直進すると行塚山(荒船山の山頂)に至る
大きな岩から水が滴り落ちる威怒牟畿不動に到着

尾根筋から30分ほど下ると、山伏や修験者が行をしたと伝えられる霊場、威怒牟畿不動に到着しました。ここに来るのは数年ぶりですが、垂直に切り立った岩の存在感には、いつ来ても圧倒されます。かつては岩の下にお堂のような建物があったようですが、今は荒れ果てています。

滝から少し離れた場所にある東屋
東屋に建つ威怒牟畿不動の説明板

威怒牟畿不動からは樹林帯の中の道を下り、1時間弱で登山口に戻ってきました。最近の豪雨災害で下山路は崩落している箇所が幾つかあり、ロープによる下降や渡渉を強いられました。

崩落地点。赤テープに沿って進む
登山口に帰着
登山口近くに置かれた昔の看板。尾沢村星尾と記載されているので、昭和20年か30年代初頭のものらしい

立岩に登ったのは2011年以来13年ぶりでしたが、当時の記憶はほぼなかったので新鮮な登山を楽しめました。すんなり登れると思いきや、立岩の尾根上では鎖やロープが続いてきつかったのと、下山路では崩落が何箇所かあり、意外と苦戦しました。今回は薄曇りで遠くの山々は見えなかったので、晴れた日に再訪したいと思います。(以上)