【登山】南牧三名瀑の三段の滝を経て、2つの鋭いピークが目を引く大岩と翠岩へ

西上州のマッターホルンとも呼ばれる鋭利な山頂が特徴の大岩と、同じく山頂がとがった翠岩(みどりいわ)に登ってきました。登山路では、南牧三名瀑の一つである三段の滝も鑑賞しました。(登山日:2024年11月4日)

碧岩付近の展望地から望む大岩。左遠方に見えるのは役場周辺の集落

天を突き刺すような山頂が特徴の大岩と、その脇で同じく鋭角のピークを突き立てる碧岩。岩峰が多い南牧村の山々の中でもシンボリックな山容は、ひときわ目を引きます。特に役場周辺からは、まるで槍ヶ岳のように鋭角な大岩と、その横で角を出すような碧岩がよく見えます。ガイドブックでは上級者向けの山と指定されていて、特に碧岩の山頂直下の岩登りは体力が必要です。

村役場付近から遠望する大岩と碧岩。夕方には美しいシルエットが見られる

ちなみに、星尾の私の自宅から眺める大岩は、なだらかな山頂部が横に広がる普通の山。縦から見るのと横から見るのとでは印象が全然違うのも一興です。

星尾区道場から眺める大岩(遠方中央)。その右の丸いコブが碧岩。横から見ると案外離れている

大岩と碧岩の登山口は、県道を南牧川に沿って奥へと進み、羽沢区の勧能集落を抜けた先にある駐車場です。トイレもありますが、停められるのは数台程度と狭いのが難点。ここに車を停め、沢筋を登り始めます。

大岩、碧岩、三段の滝に至る登山口の駐車場
登山口。三段の滝までは約1キロ。木道よりも山ビルが心配

三段の滝まで約30分と道標には書かれていますが、近年の豪雨災害で登山道の荒廃が進んでいますので、時間に余裕を持ったほうがよさそうです。木道も整備されていますが、滑りやすい上に何箇所か崩壊していました。遊歩道のように気楽に歩ける道ではありません。

登山道は沢筋に沿って付けられています
木道は滑りやすいので要注意
道端には、滝までの距離を記した道標が立つ
このハシゴを登れば、滝まであと一息
三段の滝に到着
樹木に阻まれ、撮影ポイント探しに難航

三段の滝周辺には休憩スペースもありますが、滝の全容を眺めるには、滝の右側の急斜面を高巻くように付けられた登山道を登る必要があります。登るにつれて、滝の迫力が増してきます。

滝の上部

滝を鑑賞した後は、いよいよ大岩、碧岩への本格的な登山がスタート。まずは沢に沿ってしばらく進んだ後に山腹に取り付き、碧岩の山頂をめざします。山頂直下のロープを使った岩登りが最難関。足場確保や三点支持などのクライミング技術が必要です。

三段の滝を過ぎてからも、渡渉を繰り返しながら沢沿いに進みます
この標識を目印に、左の細い沢筋に分け入ります
しばらくは細い沢に沿って登りますが、この先で、碧岩への直登ルートと大岩に登るルートに分岐します
最難関の碧岩山頂直下の岩登り。足場の確保が難しい
登山口から休憩含め約2時間で、碧岩山頂に到着

碧岩の山頂は狭いですが、木々の間からは周囲の山々や麓の集落などの眺望が望めます。

眼下に見えるのは熊倉集落
左の岩峰が立岩、右の遠方に見えるのは鹿岳、四ッ又山

次は大岩へ。登るのに苦労したロープを今度は下降し、尾根上の分岐から大岩に登ります。登るのが難しい岩はありませんが、歩くのに危険な箇所が幾つかあるので要注意です。

大岩への分岐。道標が朽ちかけている
碧岩と大岩の中間にある展望地から望む大岩。絶壁を縫うように登山道が付けられている
振り返ると、鋭さが際立つ碧岩がよく見える
眼下に見える集落は、羽沢区勧能集落。その上の谷あいには、星尾区道場集落がチラッと見える
展望地からの眺望
碧岩から1時間弱で、大岩山頂に到着。樹木に邪魔されて展望は良くない

大岩も山頂は狭く展望も効かないため、展望を楽しむには碧岩との中間地点にあるピークが適しています。大岩からは、三段の滝へ直接下る別ルートで下山しました。大岩・碧岩は上級者向けだけあって、ロープによる岩登りも多く、登山道が不明瞭な箇所が幾つもあります。特に、三段の滝からの登山道は迷いやすいため、赤テープを確認しながらの慎重な登山が求められます。大岩と碧岩に登るのは13年ぶりでしたが、当時も碧岩の岩登りに苦労した記憶がよみがえりました。(以上)