【食】「Big Mom（ビッグマム）」のコッペパンとパキスタンカレー

今年７月に、テレビ番組「人生の楽園」で紹介された南牧村のレストラン「Big Mom（ビッグマム）」。放映直後の土日にはお客様が詰めかけ、南牧村では珍しく店の外に行列ができました。あれから3ヶ月、客足も落ち着いてきたので、久々に来店して食事をいただき、店主の増田美奈子さんと会話しました。

「Big Mom」は、村のほぼ中心部、役場にほど近い場所にあるレストランです。2018年に埼玉県から南牧村に移住した増田美奈子さんが古民家を改装して2019年に開業し、一人で切り盛りしています。私も何度か店内やテイクアウトで食事をいただいていますが、まさかテレビで取り上げられるとは思いませんでした。

店の看板メニューは、コッペパン。とにかく種類が豊富で、オーダーに迷うほど。最近ではTVの影響もあってか、コッペパンの注文が一番多いそうです。パンは毎朝、営業前にまとめて焼いていて、お客様が多い土日には、70個から80個くらいを焼くそうです。

他にも、カレー、ガパオ、ミックスフライなどのご飯物も用意しています。パキスタンカレーはレストラン開業前に、パキスタンのシェフの友人からレシピを学んだそうです。

平日は地元の方々がよく来店します。地元ではパンよりご飯ものの注文が多く、テイクアウトが主流。村役場に近いので、職員の方々もよく訪れ、夜は一杯飲みに来る常連さんもいます。役場の近くには他に食堂がないので、ちょっとした打ち合わせや懇親スペースとしても機能していて、すっかり地元に馴染んでいます。

現況について、増田さんと会話をしました。

「人生の楽園」でも放映されましたが、シングルマザーの増田さんは、2018年に親子2人で南牧村に移住してきました。安心して子育てができる地域を探していたところ、埼玉からも近い南牧村がヒットしたそうです。

「育児をしていると、どうしても満足に仕事ができません。これはシングルマザー共通の悩みだと思います。でも、南牧村では小学校6年まで子供を学童で預かってもらえるので、日中はフルに働けて大変助かっています。埼玉で暮らしていた時は、育児をしながら働いていたので収入が不安定でしたが、今は安定して経済的にも余裕が生まれ、豊かな暮らしができています。意外かもしれませんが、収入も移住前から少し増えたんですよ」

育児と仕事の両立に悩んでいるシングルマザーの方は、移住という選択肢を考えてほしいと熱く語る増田さん。今の仕事にもだいぶ慣れてきたので、今後はキッチンカーや移住関連イベントを通じて、自らの移住経験をアピールしていきたいそうです。

「私もそうでしたが、都会で暮らしていると、地方は仕事がない、どうやって生活していいかわからないといった先入観があります。移住して自立した生活がおくれているモデルとして、南牧への移住をアピールしたいと思います。特に、育児に悩むシングルマザーの方々に移住という選択肢があることを伝え、村の子供を増やすことにも貢献したいですね」

休日のランチタイムは混雑も予想されますが、軽食メニューも充実しているので、登山や紅葉狩りの帰りにでも立ち寄られてはいかがでしょう。