南牧村に拠点を置くボランティア団体「一燈なんもく」が、7月に発生した北関東豪雨の被災地で災害支援活動を行っています。その現場を訪問し、活動状況を聞きました。(取材日は8月4日、主な写真は「一燈なんもく」のFacebookから許可を得て転載しています)

昨今のニュースでは、7月28日に熊本県を襲った令和8年熊本地震の被災状況が盛んに報じらていますが、群馬県でも7月に広域災害が発生しました。北関東豪雨です。7月17日から18日にかけて記録的な大雨が関東北部を襲い、道路の冠水や土砂崩れなど、栃木県や群馬県で大きな被害が発生しました。この災害を支援するため、南牧村に拠点を置くボランティア団体『一燈なんもく』も出動しました。その現場を訪問し、活動について代表の横澤厚志さんに聞きました。

一口にボランティア団体と言っても得意分野はそれぞれ異なり、支援できる内容もさまざま。多数の重機やダンプを保有する「一燈なんもく」の強みは、重機とチェンソーを使った土砂災害への対応です。横澤さんから教えられた足利市松田町の現場に向かうと、道路から少し上がった家の裏側で、土砂を撤去する作業が行われていました。背後の山から崩れた土砂の撤去は既に終盤を迎えていて、複数のボランティアが家の壁面を清掃していました。



今回の北関東豪雨を受けて『一燈なんもく』では、7月21日に桐生市と太田市で開設された災害ボランティアセンターから被災した家屋の情報を入手。22日に現地調査を実施し、23日に現地に入り、支援作業を開始しました。現場には、全国各地から多くのボランティア団体や個人ボランティアが駆けつけ、チームを組んで活動が行われました。
「最初の現場は、土砂の被害を受けた桐生市の家屋でした。堆積した土砂を運び出す作業から始め、被災した家財を出したり、室内を清掃したりと7日間作業して、30日にはほぼ終了しました。その間に熊本で震度7の地震が発生し、これまで共に作業をしてきた多くの仲間が熊本へ向かいました。ただ、こちらでの支援活動は終了していないので、群馬人の私は残り、次の現場に移りました」



7月31日からは、桐生市に隣接する栃木県足利市の被災地で作業を開始。こちらの現場は、別のボランティア団体が足利市の社協から要請を受けた案件。重機を保有している横澤さんにも支援要請があり、対応を決めたそうです。
「各ボランティア団体は繋がりが強いので、要請すれば私の仲間だけでなく、仲間の仲間も来てくれます。逆に、仲間から要請があれば私が駆けつけるケースもあります。私も熊本からオファーを受けていますが、私は群馬の人間なんで、こちらの現場が終了しないと行けないと伝えているんです」と話す横澤さん。県境をまたいででも仲間から要請があれば駆けつけられる点に、縦割りの組織には見られないボランティア団体の対応力とネットワークを感じました。






今後の活動予定について横澤さんに聞くと、「新たな要請が来なければ、お盆には作業が終了できると思います。ただ、桐生市の社協が住民向けに説明会を開催しているので、それを聞いた住民から支援要請が来る可能性があります。特に土砂災害は家屋の背後の斜面が崩れて発生するので表からは見えず、空き家では気づけないことが多いんです。それと心配なのが「カビ」ですね。多くの家屋は壁面や床下などに断熱材を入れています。この断熱材は、一度水を吸うと抜けないので、浸水した家屋では後から「カビ」が発生するんです。断熱材のカビ対策はあまり知られていないので、今後はカビ除去の要請も寄せられると思います」とのこと。重機を保有するボランティア団体も熊本へ支援に行ってしまったので、『一燈なんもく』が活動する機会は今後も発生しそうです。
「熊本の地震で北関東豪雨の被害については世間から忘れられています。社協やボランティア団体との連携といった支援体制を整備してきたことが今回役に立ちましたが、災害に対する危機感はまだ薄いと思います。今回の経験を糧として、今後起こり得る災害に向け気を一段と引き締める必要があります」と語る横澤さん。熊本地震のインパクトが強すぎて北関東豪雨の被害はほとんど報道されていませんが、猛暑のなかで地元の群馬や栃木でもボランティア団体が活動していることは、もっと知られてもいいと感じました。(以上)
※『一燈なんもく』のFacebookでは、日々の活動状況を掲載しています。ぜひチェックしてください。https://www.facebook.com/profile.php?id=61589500551771











