「村の喫茶店 もくもく(以下もくもく)」では、大正から昭和時代の南牧村を写した写真を展示した「南牧村の昔の写真展」を4月末まで開催しています。もくもくでは、過去にも村の風景や行事を写した「南牧村の写真展」を何度か開催していますが、昔の写真に特化した展示会は今回が初めて。ということで、展示作品の中から個人的に見てほしい3枚をピックアップして紹介します。(他の作品は、ぜひ、もくもくにご来店のうえご覧ください)

私は「南牧山村暮らし支援協議会」の活動の一環で、南牧村の昔の仕事や暮らし、風景を写した写真を収集います。そのうちの何枚かは協議会のWebでも段階的に公開し、もくもくで過去に開催された写真展でも、何枚かを展示してきました。
今回の写真展では、過去に展示した写真6枚に新規4枚を加えた計10枚を展示しています。


ここからは、展示作品から特徴的な3枚をピックアップして、簡単な説明と個人的感想を含めて紹介します。

南牧村は昭和30年に磐戸、月形、尾沢の3村が合併して発足しましたが、この写真は戦前の旧尾沢村の小学校を背景に撮影された一枚で、星尾地区へと続く道路の開通を記念して写されたものです。道路を通すために積まれた石垣は圧巻で、コンクリートが普及する前の土木工事の様子が分かる貴重な写真といえます。人物よりも石垣をクローズアップしたアングルからは、この石垣を積むのに相当苦労したことが忍ばれるとともに、当時の石垣作りの技術力が伝わってきます。
ちなみに背景に写っている旧尾沢小学校はコンクリートの校舎に建て替えられ、1994年に閉校してからは南牧村民俗資料館として使われています。


村内の砥沢地区で写された消防団の写真です。団員が着用している服には「尾澤消防」の文字が読めます。消防訓練に行く途中でしょうか。正確な撮影時期は不明ですが、戦後間もない頃のようです。当時は消防車ではなく、リヤカーにポンプを乗せて引いていました。背景には、コンニャク芋をスライスして干している「荒粉」が見られます。道路の向こう側には段々畑も見えますが、今は杉の木で覆い尽くされています。
ちなみにこの道は現在の県道で、奥のカーブの先には消防団(第一分団)の詰所や砥沢郵便局があります。

写真展のポスターに採用されているこの写真は、南牧村と長野県臼田町(現在は佐久市)を結ぶ田口峠の古い峠道を写したもので、絵葉書用に撮影されました。撮影場所は臼田町ですが、南牧村にほど近い場所で、狭岩と呼ばれる切り立った渓谷です。田口峠は古くから信州と上州をつなぐ峠道の一つですが、馬で荷物を運搬するため、渓谷上に木道を作っていました。写真では判別できませんが、この先の広川原集落で採取した砥石を運搬しているそうです。
ちなみに現在の田口峠の峠道はこの場所をトンネルで通過しており、直接行くことはできません。
「南牧村の写真展」は4月末まで、もくもくで開催しています。ぜひお越しのうえ、この3枚以外の作品もご覧ください。(以上)

