私が感じる南牧村の「3つの魅力」

南牧村(なんもくむら)は、群馬県の南西部に位置する自然豊かな山村です。村の西側の峠を越えると長野県で、県境を越えた先の長野県佐久地方には同じ漢字の南牧村(みなみまきむら)があり、よく間違われます。

村の総面積の9割は森林で、中心を流れる南牧川とその支流沿いに民家が点在しています。渓流に恵まれた村内には数多くの滝がありますが、なかでも「三段の滝」「線ヶ滝」「象ヶ滝」は南牧三名瀑と呼ばれ、見応えがあります。また、一年を通して登れる岩山が多いのも特徴で、登山客も訪れます。

昭和中期まではコンニャク栽培、養蚕、林業の3大産業で大いに栄えた歴史がありますが、その後は過疎化が一気に進みました。昭和30年代に1万人を超えていた村の人口は、2020年7月時点で1,746人。2014年に日本創生会議の消滅可能性都市ランキングではナンバーワンとなり、良くも悪くも全国に名が知られました。

南牧3名瀑。左から線ヶ滝、三段の滝、象ヶ滝

…と、ここまでは村を紹介する時によく使われる説明です。この投稿では、私が強く感じる村の魅力を3点に絞り紹介します。(何より私は、これらの魅力に引き込まれて移住してきました)

1点目は、昭和時代の面影が色濃く残る山村風景です。

南牧村には、かつて養蚕とコンニャク栽培で潤った名残りから、立派な古民家が数多く残っています。それらが急峻な斜面に石垣を組んで建ち並んでいる景観があちこちで見られます。特に、南牧川の支流沿いに開けた集落には昭和の原風景とも言える景観がよく残っています。これらは貴重な文化遺産と言えるでしょう。

2点目は、村の歴史です。

大日向地区で毎年8月に行われる火祭り「火とぼし」

南牧村は、戦国時代に武田勢が西上州を攻めたルートの一つで、武田勢を助けて勝利した記憶が、火祭りの形で今に伝えられています。また、6年ごとに星尾地区の諏訪神社で行われる御柱祭も知られています。

2016年に行われた御柱祭

こうした祭りのほか村内には、山里の歴史や文化を伝える石造物や寺社などが至るところで見られます。黒滝山不動寺や威怒牟幾(いぬむぎ)不動といった霊験あるスポットもあり、星尾地区には養蚕で使われた風穴も残っています。また、今は杉林で隠れていますが、かつてはコンニャクを栽培していた段々畑が山頂付近まで開かれていました。

段々畑の跡

3点目は、岩と山です。

西上州のドロミテと呼ばれる立岩

南牧村が属する西上州エリアには、妙義山や荒船山などの岩山が多くあります。南牧にも、西上州のマッターホルンと呼ばれる大岩・碧岩をはじめ、立岩、毛無岩、鹿岳など独特の形をした岩山が幾つもあります。標高は決して高くありませんが、山頂からは西上州の山々が望めます。

特異な形をした鹿岳(右)と四ツ又岳(左)

今回は、私が感じる村の魅力を3つに絞って概要のみ紹介しましたが、今後は実際に訪れたうえで個別に詳しく紹介していきたいと思います。