自宅の近所にありながら、これまでじっくり見学できていなかった南牧村民俗資料館。とにかく展示品が多いので、まともに見学したら2~3時間はかかりそう。なので、ここでは私が個人的に選んだ「見どころ」を、駆け足で紹介します。
南牧村民俗資料館とは?
村の幹線道路(県道93号下仁田臼田線)を奥へ奥へと進み、星尾地区や線ヶ滝へ通じる道が分岐する地点まで行くと、コンクリート3階建ての建物が見えてきます。ここが南牧村民俗資料館。2021年4月からは、毎週金曜日のみ開館しています。資料館の基本情報はこちら
もともとこの建物は、この地区の小学校として昭和56年に造られました。ここは南牧川に星尾川が合流する要所で、戦国時代は山城があったとか。それが江戸時代には武家屋敷となり、明治以降は小学校が建てられ、閉校までの120年間で延べ5800名の学童が学んだそうです。
平成6年3月に小学校が閉校となった後は村の生涯学習センターとなり、民俗資料の展示を開始しました。平成24年(2012年)の4月に南牧村民俗資料館へと名称を変更し、今に至ります。
展示品はとにかく多種多様!かつて、村人が仕事や生活で使ってきた道具を中心に、約4000点の展示品が3フロアに所狭しと置かれています。村の産業、文化、教育、芸能、行事にまつわる資料や説明書きが豊富で、南牧村がたどってきた歴史や、当時の村人の暮らしぶりがイメージできます。
展示品は、大きく「生産生業」、「教育文化」、「生活」の3分野に分かれますが、品数が最も多いのが「生産生業」です。まずは1階に展示されているこんにゃく、養蚕の部屋から見ていきます。
生産生業 こんにゃくの部屋
玄関を入って右側にある最初の展示室が、いわゆる「農耕・こんにゃくの部屋」です。水田が一枚もない南牧村では、こんにゃく栽培が主要産業でした。この部屋には、こんにゃく生産の歴史やプロセスがわかる資料や道具が展示されています。他ではなかなか見れない「こんにゃく切り機」や、こんにゃく栽培の様子を写した当時の写真が見どころです。
生産生業 養蚕の部屋
「こんにゃく部屋」の隣は、「養蚕の部屋」。養蚕は、こんにゃくと共に村の主要産業でした。明治から昭和にかけて、村ではどの農家もこんにゃく栽培と養蚕を営んでおり、隆盛を極めていました。ここでの見どころは、はた織りの道具類。木で造られた精密機械のようで、迫力満点です。養蚕業を記録した写真も貴重です。
出征の部屋
1階の奥には、戦争関連の資料を展示した部屋があります。当時の様子を写した写真が見どころです。
生産生業 和紙、砥石、茶の部屋
続いて2階へ上がります。南牧村の主要産業はこんにゃくと養蚕でしたが、その他にも特産品として、和紙、砥石、茶などがありました。それらがまとめて一室に展示されています。特に、江戸時代から大規模に採掘されていた砥石や道具の展示、採石場の絵図は見どころです。
生産生業 山仕事の部屋
生産生業の最後は、山仕事の部屋です。山村の南牧村では林業も盛んでした。部屋の中央に置かれた丸太の運搬道具や、壁に掛けられた鎌の数々が見どころです。
教育文化 人形の部屋
ここからは教育文化。まずは、大正時代まで村で上演されていた人形芝居「星尾人形」の部屋です。実際に使われていた人形類の品々が見どころです。
教育文化 学校の部屋
3階へ上がり、村の学校に関する部屋です。学校の写真や教科書などが展示されています。当時の学校で使われていた机や木のロッカーが見どころです。
生活の間
最後は生活の間です。昭和時代に村人が使っていたレトロな品々が展示されています。昔の電話機や蓄音機、家電品が見どころです。
その他の見どころ
これ以外にも、廊下や階段の踊り場まで、さまざまな道具や資料が展示されています。中でも、当時の暮らしを再現した「古民家復元コーナー」と、村の風景を写した写真や絵画の展示コーナーは見どころです。
まとめ
写真を中心に、南牧村民俗資料館の見どころを駆け足で紹介してきました。民俗資料館は各地にありますが、ここは展示品の種類と数が多く、他では見られない貴重な品々が展示されていると思います。現在はコロナの影響で残念ながら金曜のみの開館ですが、かつての山村の暮らしぶりや生業が実感できますので、一度足を運ばれてはいかがでしょう?
資料館の近くには、南牧3名瀑の一つ「線ヶ滝」や「星尾風穴」、「星尾温泉」、「蝉の渓谷」などの観光スポットもありますので、合わせて訪問することをお勧めします。
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