いつでも登れる山は、結局いつまでも登らないもの。私が住む星尾集落から眺められる大屋山(おおやさん)も、地元の山ながら未踏のままでした。もはや登る気も失せかけていましたが、今回、登山道調査を行うTさんに同行するという(絶好の)機会を得て、初めて大屋山に登ってきました。(登山日:2024年9月20日)
標高1,080mの大屋山は、南牧村の山々の中でも登るのが容易な峰の一つ。雑木林の中の小道を緩やかに登れば、1時間余りで山頂に到達できます。登山口は、住吉区の山仲集落と星尾区の道場集落を結ぶ林道道場線の途中にあります。下仁田方面からは、県道を進んで村役場を過ぎた先を右折し、黒瀧山への分岐を左に進んで林道に入るのが一般的なルートです。
実は上の登山口の手前にも「大屋山登山口」と書かれた第一の標識があり、車が停められるスペースがあります。ただし、この標識は林道に並行して付けられた徒歩ルートの表示なので、ここまで車を進めたほうが楽です。
林道から分かれて登山道を進んでいくと、一軒の民家が出現!人里から断絶したこの民家は、桃源郷とも呼ばれた蓼沼(たでぬま)集落。もう一軒の民家が林道の下にあり2軒で構成されていますが、いずれも空き家になって久しいようです。
しばらく進むと、送電線の鉄塔が見えてきます。この道は東電の作業道ですが、正式な登山道が荒れているため、こちらの道がよく歩かれているようです。我々もこの道を登らせてもらいました。
鉄塔を過ぎてアップダウンを繰り返し小さな沢筋を越えると、正式な登山道に(いつしか)合流します。ここから先は、雑木林の中の緩やかな道を、ひたすら登ります。樹林帯の中は日陰なので、夏でもそれほど暑くありません。
登山口から約1時間で、大屋山の山頂に到着。ここまで特に危険な箇所もなく、多少迷いやすい雑木林の中も赤テープを目印に進んで、問題なく到達できました。ただし、山頂からの展望は樹木に覆われて望めません。展望を楽しむため、この先にある「展望岩」まで歩くことにしました。
山頂から約10分ほど狭い尾根筋を歩くと道が岩で行き止まりになります。この岩に上ると、山の北と東側が展望できました。この日は天気も良く、山々が一望できました。そして、私の自宅も確認できました!いつも見上げていたこの岩に立つことができて感動しました。
展望岩の上は狭く切り立っているので長時間留まることは難しかったのですが、自分が住む集落を上から見ることができて感無量でした。今回の登山をきっかけに、暑さが収まる秋から冬にかけて、南牧の山々を登り、歩きたいと思いました。(以上)