【登山】南牧村の南端にそびえる展望に優れた烏帽子岳

烏帽子岳という名の山は全国に多くありますが、南牧村にも烏帽子岳があります。村内でも南の端に位置し、山の形も少し傾いた烏帽子形。標高は1182メートルと、南牧の山々の中では高い部類です。

ということで、その烏帽子岳に登ってきました。登山口から山頂までの標準コースタイムは1時間半ほど。山頂からは360度の展望を楽しめました。ただ登山道は割と急でロープが何箇所もあり、沢筋では渡渉もあるので注意が必要です。(登山日:2025年5月21日)

360度見渡せる烏帽子岳の山頂
麓の大仁田集落から眺める烏帽子岳

烏帽子岳の登山口は、大仁田ダムから御荷鉾スーパー林道を少し登った先にあります。すぐ手前には広い駐車場があります。

御荷鉾スーパー林道沿いにある烏帽子岳の登山口
登山口手前の、広い駐車場。そうえいば何年か前に、ここでバスの滑落事故があった。
ここから沢筋に沿って登り始めます

沢沿いの登山道を進んでいくと、途中で上野村へ抜ける古道を右に分岐します(現在は廃道なので通れません)。小さな沢を何度か渡渉し、時に急坂をロープをたどりながら登ります。登山道の脇には、斜めの地層が露出した岩が幾つも見られます。

次第に細くなる沢筋を登る
登山道からは、地層が露出した岩が幾つも見られる

登山口から約50分ほど登ると、「奥の二股」と呼ばれる分岐に到着。ここから山頂へは、コルへ直登する急斜面コースと、尾根沿いに登る巻き道コースに別れます。急斜面コースは体力を消耗するので、今回は巻き道コースを選択しました。

「奥の二股」の分岐点
分岐の先には、古い道標が立つ。今回は右へ

分岐から約20分で尾根上に到着しました。この尾根は南牧村と上野村との境界線で、尾根の右側は上野村です。ここからは傾斜も緩くなり、登山道もぐっと歩きやすくなります。5月下旬ですが、まだツツジも咲いていました。10分ほど尾根上を登ると、「マル」と書かれた標識が立つピークに到着。ここは標高が1220メートルと烏帽子岳山頂より高く、「シラケ山」へ至る登山道が分岐しています。木々の間からは、烏帽子岳の山頂もチラチラと見られます。

尾根上を左に進むが、右は迷いこまないよう赤ロープが張られている
尾根上の道は歩きやすい
見頃はだいぶ過ぎたが、ツツジの花がまだ咲いていた。
標高1220メートルのピーク「マル」

「マル」からは少し下り、登り返せば山頂です。下った鞍部で急斜面コースと合流し、山頂直下ではロープも使いながら急斜面を登ると展望が開け、山頂に到着しました。

烏帽子のコル(鞍部)。ここで急斜面コースが合流
山頂直下のロープ。かなりの急斜面
烏帽子岳山頂。小さな祠が鎮座する
山頂からは大仁田の集落が眼下に見える。その先に鹿岳、四ッ又山も望める
山頂からの展望。山深さを実感

今回の登山は初夏ということで空気が霞み遠望は望めませんでしたが、山頂からは360度の展望が開け、西上州の山塊の奥深さを実感できました。なお、下山は急斜面コースを下りましたが、滑りやすく落石も起こしやすいので要注意です。脚力に自信がなければ、往復とも巻き道コースを選んだほうがよさそうです。

急斜面コースを、ロープを頼りに慎重に下山

ちなみに烏帽子岳には、12年前の2013年にも登りました。その時は初冬で空気も澄み切っていて、遠くの山々も眺めることができました。以下は当時の山頂からの写真です。(以上)

初冬の烏帽子岳山頂からの展望(2013年11月30日撮影)