まるでラクダの背のような2つのコブが印象的な鹿岳(かなたけ)に登りました。意外と急登で疲れましたが、山頂からは信州から高崎・前橋方面まで360度の展望を楽しめました。
南牧村と下仁田町の境の尾根上にそびえる鹿岳。一ノ岳、二ノ岳という2つの急峻な岩峰で構成され、その奇怪な山容は、富岡、高崎方面からも見分けられます。晴れていれば群馬県庁の展望台からも見えるとか。
名前の由来は、昔、岩から鹿を追い落として狩りをしたことによるもの。私は13年前に一度登りましたが、その時は曇りで周囲の山々が見えなかったので、今回の登山を前から楽しみにしていました。
鹿岳の登山口は、四ッ又山の登山路と同じ大久保集落から登るルートと、その先の下高原集落から登るルートがあります。今回は、山頂まで最短で登れるのは下高原ルートを登りました。登山口の手前にある駐車場に車を停め、5分くらい車道を歩いて登山口に入ります。
鹿岳へ直登するこのルートは、樹林帯の急な斜面を約1時間半ほどクネクネと登るため、慌てずにマイペースで登ったほうがよいです。私は少しハイペースで登ったので、途中で一度、急斜面で休憩を取りました。ただ急登だけあって、高度を確実に稼いでいる実感がありました。
登山口から短い休みを入れ、1時間10分ほどで尾根上に到着しました。ここは「鹿岳のコル」と呼ばれ、一ノ岳と二ノ岳に挟まれた鞍部。一ノ岳は近すぎて見えませんが、最高峰の二ノ岳をはじめ周囲の山々が望めます。ただ尾根上は狭いため、本格的な休憩は、ここから数分程度登った一ノ岳山頂まで待ったほうがよさそうです。
コルからはハシゴやロープをたどりながら岩峰を登り、数分で一ノ岳の山頂に到着。多少の樹木はあるものの、周囲の山々をほぼ360度にわたり眺めることができました。
一ノ岳で休憩を取りつつ展望を楽しんだ後は、先程のコルへと下り、今度は最高峰の二ノ岳に向かいました。コルから二ノ岳まではコースタイムで20分ほどですが、岩峰の右側を回り込みながらハシゴや鎖をたどって急斜面を登るため、意外と時間を要した印象がありました。
二ノ岳の山頂からは、さえぎるものなく360度の大パノラマの展望が楽しめました。標高が1015mと低いため大岩、碧岩、立岩などは山々に隠れて見えませんでしたが、雪化粧した谷川連峰や八ヶ岳も遠くに見えました。南い突き出た岩峰(通称 三ノ岳)からの眺めとスリル感も素晴らしかったです。
展望を楽しんだ後は下山です。今回は登った道を降りずに尾根を南にたどり、四ッ又山への登山路にある「マメガタ峠」経由で下りました。峠まではアップダウンを何度か繰り返し、意外と疲れました。峠からは歩きやすい道を大久保登山口へと下り、車道を15分ほど歩いて駐車場に到着。お疲れさまでした。
鹿岳は、南牧を代表する岩峰の山というだけあって、一ノ岳、二ノ岳ともに山頂には樹木が少なく、山岳展望を楽しみたい方にはお勧めです。登山路にはハシゴ、鎖、ロープが多く掛けられていますが、碧岩のような難易度が高い岩登りはなく、一般登山者でも割と手軽に登れます。一ノ岳山頂と、二ノ岳の少し先にある(通称)三ノ岳からは、垂直にスパッと切れ落ちた岩峰の上に立てるスリルを味わえるのも一興です。ただし足元には要注意ですが。(以上)