【登山】南牧屈指のロングコースを登り、大展望の毛無岩へ

標高が低く短時間で登れる南牧の山々の中で、この毛無岩は南牧屈指のロングコース。村発行の「なんもくトレッキングガイド」によれば、登山口から山頂まで200分を要する上級者向けの山です。標高も1,275mあり、これまで登った山々の中で最高峰。実際に登山路は長く、両側が切れ落ちた危険な箇所もありましたが、山頂では遮るものがない全方位の大展望が待っていました。

登山口へ至る路上から望む毛無岩

毛無岩は「岩」というだけあって、独立した山というよりも稜線上に突き出た岩峰です。鹿岳から荒船山へと続く村の北側の稜線上に位置し、かつては黒瀧山から毛無岩を経て荒船山に至る遊歩道が整備されていました。

毛無岩への登山口は、星尾区の道場集落を上がった上にある山神社です。登山ルートは、今回登る「尾根コース」と、沢をさかのぼる「沢コース」の2本がありますが、「沢コース」は難易度が高く一般向けではないため、今回は「尾根コース」を登ります。

駐車場は、神社左手の車道を上がったすぐ先に、2~3台置けるスペースがあります。赤い鳥居をくぐり、社殿の左脇から登山路に入ります。涸れた沢を横切り、しばらくは赤テープを目印に沢沿いに進みます。

毛無岩登山口の山神社。社殿の左から登山道に入る
沢に沿って、なだらかな道を進む
この先で左の山腹に取り付き、急登が始まる

20分ほど沢沿いに進んだ後に、沢の左側の山腹に分け入り、いきなり急登が始まります。そこから40分くらいジグザグに登ると尾根上に到着。ここは「赤松の休み場」と呼ばれる場所で、木々の間からは周囲の山々が見えます。ここからは尾根上の急登をひたすら登るルートが待ち構えているので、しっかり休憩を取りました。

赤松の休み場
尾根上からは、めざす毛無岩がチラチラと見える。まだかなり遠く、高い
木々が邪魔して全貌が見えないが、だんだん毛無岩が近づいてくる
「赤松の休み場」から尾根上を1時間と少し登りつめ、縦走路分岐に到着
倒れていた道標を樹木にくくりつけて応急処置

ダラダラと登る尾根上の登山道をひたすら登っていくと、前方にめざす毛無岩がそびえているのが、木々の間から眺められました。登るにつれて山容が大きくなり、近づいてくる姿は圧巻でした。

登山口から2時間と少しで、「縦走路分岐」に到着。ここはかつての黒瀧、荒船遊歩道の名残りの道への分岐で、左に進めば毛無岩に登らずに荒船山方面にショートカットできたそうです。この道は帰りに通ることにして、右手の稜線に登るトラバース道を進みます。10分ほど登ると稜線に出て、毛無岩の東のコルに到着。ここからは稜線の北側の視界が開けます。稜線上からは、登山口の道場集落や登ってきた尾根がよく見えました。

木々の間に見えるのは荒船湖
稜線上からは、登山口の道場集落が遠くに見える

コルからの稜線上の道は、両側が切れ落ちたやせ尾根のアップダウンが続きます。ロープや木の根をつかみながら慎重に進み、コルから30分弱、登山口からは3時間弱で毛無岩の山頂に到着しました。山頂は岩の上なので狭く乗り出すと危険ですが、視界をさえぎるものはなく、360度の展望が楽しめました。

やせた尾根上を慎重に進み、ついに毛無岩の山頂に到着。遠くに見えるのは浅間山
浅間山の左手前には、テーブルマウンテンの山容の荒船山が見える
妙義、榛名山方面。右手には前橋、高崎の町並みも遠望できる
手前が立岩。その向こうには雪化粧した八ヶ岳連山が見えた

山頂で展望を楽しんだ後は稜線上を「相沢越」まで進み、今度は山頂を巻くコースを通って戻りました。ただし、このルートは不明瞭で赤テープも付けられていないため道に迷い、正しいルートに戻るのに苦労しました。

「縦走路分岐」からはもと来た道を下山。急斜面を下るのは登り以上に疲れました。

稜線上を進み振り返ると、先程登った毛無岩がくっきり見えた
途中に立つ朽ちた道標。左には何と書かれていたのか。
「相沢越」。ここも標識が割れて落ちている

山神社に下山したのは16時過ぎ。相沢越まで足を延ばしたので時間を要し、往復で6時間以上もかかりました。全方位が望める山頂からの大展望は格別でしたが、12月とあって風が寒く、長居できなかったのが残念でした。(以上)